日米欧中銀は社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い入れで一般企業にも資金供給し、商業銀行のような「産業金融」に踏み込みつつある。S&Pグローバル・レーティングによると、20年に入って、格付けが投資不適格級となった「堕天使債」は23社。さらに96社にその可能性があり、既に08~09年の金融危機時を上回る勢いだ。FRBはこうした堕天使債の購入を決定済み。中央銀行は「量」だけでなく、「質」の面でも大きくリスクをとる。
「資金供給がなければ企業は閉鎖に追い込まれ、米経済は長期的なダメージを負いかねない」。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は29日の記者会見で、社債やCPの購入の意義を説いた。1兆ドルの米国のCP市場の残高に対して、FRBの購入枠も最大1兆ドルだ。企業の短期資金の調達を、そっくりそのまま請け負う。
社債市場では、自動車大手のフォード・モーターや百貨店のメーシーズなど有力企業が投資不適格級となった。雇用維持へFRBの緊急資金供給が欠かせない。パウエル議長は「リスクは多いが取るべき措置だ」と明言。ホテル世界最大手のマリオット・インターナショナルの保証料率が縮小するなどクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場は安定を取り戻し、市場の底割れをぎりぎりで回避した。
欧州中央銀行(ECB)も22日、格下げで投資不適格級になった債券も、ECBの資金供給の担保として受け入れると決めた。欧州では1000億ユーロ規模の社債が、20年中にも投資不適格であるダブルB格以下に格下げされるとの懸念が強まっていたためだ。ユーロ圏のハイイールド債の利回りは2月時点の2%台から一時8%台まで急上昇。最後の資金の出し手として動く。
ただ、中銀のリスク資産の購入は、終着点が見えない。低格付け債の利回りはFRBの資金供給で急低下したものの、20日にはニューヨーク市場で原油先物が史上初めてマイナスに転落。「逆オイルショック」によってシェール銘柄などの利回りは再び上昇し始めた。中銀が安全網を敷けば相場は落ち着くが、そこからはみ出た市場は資金の出し手がさらに細る。
08年の金融危機で中銀が得た教訓は「迅速に行動する勇気」(バーナンキ元FRB議長)だ。損失リスクとの我慢比べが当面続くことになる。
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April 30, 2020 at 05:00PM
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新型コロナ:中銀、産業金融に一歩 CP・社債購入「リスク負う」 - 日本経済新聞
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